テーマパークで見た《未来》
大学時代、もともと子ども好きだった当時の私は、子どもの権利研究の日本における第一人者と敬慕する喜多明人教授(現:名誉教授)のもとで指導を受けながら、子どもの自己肯定感についての研究に明け暮れていました。
その傍ら、自らの仮説検証と臨床実践も兼ね、東京都と千葉県が隣接する位置にある某テーマパークにて、時にはキャストとして、時にはスーパーバイザーとして、子どもたちと毎日のように接していました。
そこで子どもたちのありったけの、イキイキと輝く笑顔を見るたび、強く実感したことがあります。
「子どもたちはまさに《未来》そのものだ!」と。
そしてその《未来》を育てていくことに貢献できたらどんなに素晴らしく、やりがいのあることなのだろう―そう思い、保育・教育業界で働くことを決心。
卒業後、就職活動を通じてご縁をいただいたJPホールディングスグループに入社しました。
保育現場で目の当たりにした《現実》
入社後は主に担当園の園長先生らを僭越ながら裏方でサポートする役回りを拝命しました。
業界歴・専門性・人生経験すべてにおいて大先輩からの重みのあるご指導の数々を通じて痛感することになったのは、現場の第一線で子どもたちと接する先生方の、子どもたち一人ひとりに対する「並々ならぬ責任感」と「はかり知れない情熱」でした。
入社してそう間もないある時、ひとりの園長先生からこんな言葉をぶつけられたことを今でも鮮明に記憶しています―
「楚山さん、このままだと子どもたち死んじゃいますよ。」
当時はまだまだ待機児童問題が解消遠く、保育施設もいわば“産めよ、増やせよ”な有様でしたが、ご多分に漏れず私の入社したJPホールディングスグループにおいても10施設前後のペースで新規開設を進めており、急成長・急拡大の最中でした。
その裏でそれを下支えし、避けられない人事異動と新規採用のしわ寄せの受け皿となっていたのが、認可園ほど職員配置基準の厳しくない認可外園でした。
先の先生は、この認可外園の園長だったのです。
毎日のように形式的な基準ギリギリ、充実した保育はおろか、子どもたちの安全確保さえままならない現状にきっと業を煮やしたのでしょう。
もちろん私自身、できること・考えうることはすべてしたつもりでした。
同期に頭を下げて彼女たちの担当園からこっそり先生をヘルプに回してもらったり、それでもどうにもならない時は上司の目を盗んでは何かと口実を並べて自らがヘルプに入ったり、園に深夜までこもって第三者評価の園側コメントを園長先生と頭をうならせながら考えたり、自分なりに全力を尽くしたつもりでした。
「自分はいったい何をやっているのだろう…?どうすればいいのだろう…?」そんな答えのない自問自答を繰り返しても、いっこうに担当園の(というよりも業界全体の)人材不足は解消しません。
それどころか、積み重なるのは新規開園書類の山やヘルプ調整連絡の重圧…入社後早々にして突き付けられたのは、そうした容赦のない現実でした。
なすすべもない無力な一社員の自分に焦りといら立ちが募る、混沌とした毎日でした。
保育を"人"から変えていく決意
それでも当時の自分を支え続けてくれたのは、そんな自分をあたたかく迎え入れてくれた担当園の先生方と子どもたち、そして直属の上司でした。
結果的に足しげく園を訪ねるたび、顔と名前を覚えてもらえ、いつしか先の園長先生とも軽口をたたき合えるように。
ありがたいことに、子どもたちは毎年勤労感謝の日になるたびに、プレゼントを贈ってくれました。
上司から数多の叱咤激励をいただいた中で最もハッとさせられ、今でもモットーにしているのは
「会社の売上は自分たち本部のものじゃない。一銭たりとも生んじゃいない。現場の先生たちのものだ」です。
次第に自分の中で、そんな先生たちやこの業界にかかわるすべての"人"の力になりたい、恩返しをしたい、頭を悩ませる制度やルールから解放したい、子どもたちに真剣に向き合う先生たちが本領を発揮できるような職場環境にしたい―そして何より、それらを通じて子どもたちを笑顔にしたい、と気持ちを新たにするようになりました。
ちょうど自分にとっての出発点となった、あのパークやパビリオンで感じた《未来》に心躍らせていた頃の、熱い想いを取り戻したかのようでした。
父となって感じた《母》の偉大さ
そんな自分も今や、2人の娘たちの父となりました。
ほかでもない我が子の育児=《未来》を初めて経験する中で、どれほど同じように親として努力をしようとも《母》という存在は特別なんだと、改めて感じています。
女性の育児は妊娠期―いやそれよりももっと早く、自分の人生設計を考える段階から既に始まっていて、出産を通じて否応なしに迫られるライフキャリア上の選択、自己実現の先送りや断念、慢性的な体調不良を抱える中でも検診に定期的に通い、口にするものや行動にも制限がかかる、等々…
数えればキリがないくらい、現実にはほとんどの《母》たちは父よりも圧倒的に自分の時間を育児に割くことを余儀なくされ、生活上の大きく不可逆的な変化や転機を受け入れざるを得ません。
また、いわゆる"マミートラック"と呼ばれる出産・育児が原因で仕事復帰をしたくてもなかなかできない、という問題も未だに根強くあります。
そんな誰もが《グレートマザー》ともいえる女性たちが、前向きにやりがいを感じて育児をすること、社会でも自身が望む活躍をすること、その双方をあきらめずにすむ世界を目指す―そういった取り組みにも協力、実践していきたいと考えております。
そのためにも、保育に課せられた子育て支援の機能が十分に働くよう、これからの時流やニーズに即応した役割をいかんなく果たせるよう、保護者と園がともにベストパートナーとして子どもの最善の利益を実現できるよう、日々"選ばれ続ける園づくり"のお手伝いを差し上げております。
そやま保育経営パートナーの使命
そやま保育経営パートナーは子どもたちとその《未来》を、保育・育児にかかわるすべての"人"に寄り添いながら、希望あふれるものにしていく事務所です。
子どもたち一人ひとりの最善の利益を日々追究し、専門性と倫理観に誇りを持って実践するプロ組織である保育・福祉事業者様を、それに恥じない知見をもとに全力で支えます。
子どもたちにとってかけがえのない存在である《母》が、自身が望む生き方を諦めずに済むような、時につまづいても誰かが手を差し伸べてくれるような、家族みんなが笑顔になれる社会を作ることに貢献していきます。
それが、私たちの使命です。